ギリシャ産ブドウ品種に関する情報
アシルティコからカベルネ・ソーヴィニヨンまで
このページを見れば、クラシワインズのワイン生産者が手掛けるブドウ品種についてなんでも分かります。
他のワイン生産国と同様、ギリシャでは国の内外から集めたブドウ品種が多数栽培されており、現在ギリシャ国内で稼働している600か所ものワイナリーが生み出す素晴らしいワインは、これに支えられています。現在、ギリシャ国内だけに生育する国内種は、約200種類とバラエティに富んでいます。これは、ワイン生産者にとって宝の山というべきものです。この品種に手を加え、組み合わせていくことで、世界のどこにもない風味を引き出すことができるのです。
クラシワインズ一同の誇りは、協賛いただいておりますワイナリーの皆さまにほかなりません。どのワイナリーでも、国内外の品種を織り交ぜて、さらには最新の醸造技術を積極的に取り入れて、他の追随を許さない品質をほこる真の意味でユニークなワインを生み出しているのです。
クラシワインズの果たすべき役割として、このページでは、クラシワインズのワイン生産者が使用している全てのブドウ品種を一覧にしてみました。これをご覧いただければ、お客さまがお求めになろうとしているのはどういうワインか見当がつきますし、また、お客さまがお求めのワインがご自分のニーズを満たしているかご判断いただけるでしょう。
間違いなくギリシャ国内では最高品質のブドウ品種であり、地中海全体で見ても最高のブドウの一つに数えられるのは間違いないアシルティコは、その息吹きと力強さ、強い酸味と鋼のような粗野な味わいとの間でバランスを取ることができる数少ない品種です。アシルティコの原産地はサンドリーニで、この地に今も生育していますが、現在ではギリシャ本土に移植されて、最新の醸造技術を用いて、すぐれたワインが製造されています。
この品種の風味は、若々しい力強さを感じさせ、中くらいの果実味があり、甘すぎず、つまり干しブドウやキャンディとは異なります。一方、厚みは十分で、骨格のない部分とある部分を併せ持っています。こうした風味によって、鋼を感じさせる酸味が保たれ、さらに、かなり高いアルコール度数と、さまざまな果実や、柑橘類さらにハーブが奏でる複雑で、はっきりとしていながら複雑な香りとがあいまって、スパイシーで信じられないほどミネラル分が際立った特徴がもたらされるのです。
一般的に、アシルティコは樽熟成をしなくとも、そのすぐれた特徴や風味が目立つようにはなります(そのよい例はエフハリスのアシルティコ・シュールリーです)が、近年では、樽熟成したアシルティコを用いた優れた銘柄がいくつか出てくるようになりました。その1つが、ライコスワイナリーのアシルティコです。どちらのワインも、クラシワインズのウェブサイトからオンライン注文いただけます。
最後に、アシルティコは簡単に他の品種と組み合わせて、コクがあり他と区別しやすい特徴を持つ優れた香り高い白ワインを生み出すことができます。クラシワインズのラインナップでよい銘柄を探すとすると、ミューズワイナリーの9ホワイト(アシルティコ、トレビアーノ、ソーヴィニヨン・ブラン)や、ドメーヌ・エフハリスのクティマ・エフハリス・ホワイト(アシルティコ、マラグジア)、さらにプローエスのホワイト(アシルティコ、シャルドネ)があります。
マラグジアの原産地は、エトロアカルナニア県、特に山に囲まれたナフパクティア市です。この品種は絶滅しかけていましたが、1980年代に、ヴァンゲリス・イエロヴァシリウとロクサーニ・マツァの2人がこの品種の保存と普及に大きく貢献しました。マラグジアで造ったワインは、ポルト・カラス・エステートにて同じくイエロヴァシリウの手で初めてボトリングされました。現在では、マラグジアは最も期待されている白ワイン用ブドウ品種の一つで、栽培面積は、2000年にはわずか23ヘクタールであったのが、2010年には182ヘクタールと、2倍以上に増加しました。白ワインに関する限り、ギリシャ人は何よりもまずこの品種を選ぶでしょう。
マラグジアのワインをグラスに注いだ時に常に見られる特徴としては、コクは中程度、酸味は中くらいから高く、口の中にわずかに脂っこさが残ることにあります。とてもいい香りを放ち、白い花(ジャスミン)、ハーブ(緑茶、ミント)、熟した種子(モモ)や柑橘類(ライム、グレープフルーツ)の香りも感じられます。
甘めのスタイルにすると、マラグジアのワインは全体としてさらに広がりを持ち、その香りは騎士の優しさ、鹿の角、オレンジジャム、アプリコットを想い起こさせます。この品種は樽に寝かせてもゆったり熟成されますが、より広く用いられ好まれるのは、タンクで熟成させて、フレッシュな花の香りをお楽しみいただくスタイルです。
収穫年と醸造方法に応じて期間は異なりますが、2~4年かけて熟成される品種で、ワインにスタイリッシュで豊潤な味わいを添えます。ギリシャ国外の品種と比較すると、むしろ白ワイン用ブドウ品種のヴィオニエに近いかと思われます。
この品種は、味の良いサラダ、軽めの野菜ソースを和えたパスタ、鶏肉または魚料理、ホワイトチーズやハーブ、フルーツベースの一品(豚肉とオレンジ)などに合います。
フレッシュなマラグジアを使用した最高のワインは、ライコスワイナリーのマラグジア(100%マラグジア)です。もしブレンドをお求めであれば、ミューズエステートのクリソリトス(シャルドネ、マラグジア)や、ドメーヌ・エフハリスのクティマ・エフハリス・ホワイト(アシルティコ、マラグジア)があります。
マルヴァジアは、地中海沿岸地域や、現スペイン領の島しょ部の島々、マデイラ島で生育してきたことが歴史を通じて明らかになっている一連のブドウ品種を指します。時代が下るにつれ、マルヴァジアの栽培は、イタリア、スロベニア、クロアチア、ポルトガル、カリフォルニア、オーストラリアその他の地域に拡がっていきました。
マルヴァジア種は、さまざまな議論されているギリシャ原産のブドウ品種の一つです。ギリシャのワインの歴史では他にないことですが、2つの地域が、この品種の原産地であると主張しています。
うち1つが、モネンヴァシアという、ビザンチン時代から続く城塞都市です。この町は、ベネチア占領下では、マルヴァジアと呼ばれていました。こうなるともう簡単ですね。モネンヴァシア、またの名をマルヴァジアは、ペロポネソス半島やエーゲ海のいくつかの島々にとっては、主要な商業の中心地でした。中世には、マルヴァジアワイン(マルヴァジア種をベースにしたワイン)が愛好され広く飲まれていたので、ベネチアでこのワインを売る店が「マルヴァジーMalvasie」と呼ばれていたほどです。
この品種の原産地であると主張するもう1つの地域は、モネンヴァシアから遠く離れた、クレタ島イラクリオンのすぐ近くの村マレヴィージです。この説の裏付けとして、ベネチア時代のクレタは、カンディアと呼ばれていたことは注目に値します。
この品種からは、強い香りを特徴とする辛口の白ワインから、古来主に知られてきた甘口のワインまで、さまざまなスタイルのワインが造られます。この品種の特徴は、豊潤でビロードのようなコクと、強い花の香り、さらに多くの場合、残留糖分が認められます。香りについては、際立った香りは、アプリコット、モモ、ジャスミンとナシの香りです。マルヴァジア・ディ・カンディア・アロマティカ種のクローンは原産国ギリシャへの帰還を果たしました。この品種から、特に香りが強く、フルーティで花のような香りを特徴として酸味が平均より強いワインが造られます。
マデイラ産の特に名高い甘味品種は、いぶしたような香りが強くシャープな酸味を特徴としています。サラダや、魚のフライ、貝類だけでなく、鶏肉のオーブン焼きや七面鳥のような鶏肉系の料理、ホワイトチーズにも合います。
マルヴァジアを使った優れたワインは、ライコスワイナリーのマルヴァジア(100%マルヴァジア)です。
マスカットはギリシャ産であることにはこれ以上議論は必要ないでしょう。マスカットは、世界中で最も多様な形で展開した品種の1つと考えられ、現在知られている品種の中では最古のものの1つです。このマスカット種から、マスカット・オブ・アレクサンドリアという品種が派生しました。
マスカット・オブ・アレクサンドリアは、リムノス島のPDOの1つです。この品種からは、どれも劣らず良質の辛口、やや辛口、やや甘口、甘口(デザート)ワインが造られます。このうち辛口ワインは、バラと、グレープフルーツやレモンなど熟していない黄色い果実の香りがベースにあります。その特徴は強い酸味にあり、通常アルコール度数は中くらいです。この品種は、酸化を完全に防止できるので、樽で熟成させるのが一般的です。甘口のワインを造ると、ナッツ、エキゾチックな果物、ハチミツやブドウの風味が強くなります。
近年、マスカット・オブ・アレクサンドリアで造ったワインは増加を遂げ、そうした取組みの中から、数多くの興味深いワインが生まれました。このような取組みを続けるワイナリーの1つとして、リムノスオーガニックワインズをぜひとも紹介したいと思います。同ワイナリーでは最高品質のワインを造っているばかりでなく、ここで造られる全製品について、オーガニックワイン生産者の認証を受けています。
世界で最も人気の高いブドウ品種の一つであるシャルドネは、スマートなスパークリングワインであるブラン・ド・ブランから豊潤でクリーミーなオーク樽熟成のワインまで幅広いスタイルに姿を変えます。シャルドネ種のブドウ自体には目立った特徴はなく、風味の大部分は、一般的にはテロワールやオークといった外的な影響に由来しています。[2] フランス、シャブリ産のワインは、スマートでキレがあり、ミネラルを感じさせるのに対して、新世界のワインは、オークやトロピカルフルーツの風味を含むという風に、1つのブドウがさまざまなスタイルを取ります。寒冷な気候(シャブリやアメリカカリフォルニア州カーネロスAVA)では、シャルドネのワインのコクはおおむね中くらいから軽めとなり、わずかな酸味と熟していないプラム、リンゴ、ナシの香りを含んでいます。さらに温暖な地域では、香りはむしろ柑橘類、モモ、メロンを感じさせ、かなり高温の地域(たとえば、カリフォルニア州セントラルコーストAVA)では、イチジク、さらには、バナナやマンゴーといったトロピカルフルーツのやわらかい香りの方が引き立ちます。マロラクティック発酵を経たワインでは、おおむね酸味はよりまろやかで果実の風味を含み、バターのような口当たりでヘーゼルナッツのわずかな香りも感じられます。
ギリシャでは、シャルドネは1960年代に初めて登場しました。当時から、ギリシャのワイン醸造家たちはこの品種をとても気に入ったので、20年もしないうちにシャルドネを使用するワイナリーは200軒を超えるまでに増加し、現在では、この品種は、国内の半分以上のワイン地域で使用されています。
その幅広いスタイルから、シャルドネはかなり幅広いタイプの食事にマッチングできるポテンシャルを備えています。最も一般的には、焼き鳥、さらには七面鳥などの白身肉に合わせます。オークの影響が色濃く感じられるシャルドネは、繊細な魚介料理には合いません。それよりも、スモークした魚や、スパイシーな東南アジア料理、ニンニクやワカモレのディップの方がよく合う感じです。[6] シャルドネが栽培地域の影響を受けることから、さまざまなスタイルの食事に合わせることができます。ワシントン産のシャルドネは、より強く酸味を残していることを特徴としており、トマトベースの料理や甘いタマネギによく合うようです。かつて、芳醇が加わったシャルドネは、キノコスープや熟成したチーズといったどちらかというと「洗練されていない」料理に合わせることが多くありました。
シャルドネとギリシャ産品種のブレンドの好例は、ミューズエステートのクリソリトスホワイト(シャルドネ、マラグジア)やプローエスのホワイト(シャルドネ、アシルティコ)です。
ソーヴィニヨン・ブランは白ワイン品種で、この品種がここまで広く知られることになったのは、フランス、ボルドーやロワール渓谷のワイン生産者によるところが大きいです。ソーヴィニヨン・ブランの味は、青臭くハーブのような風味があることから、シャルドネのような他の白ワインとは大きく異なります。ソーヴィニヨン・ブランの名前は「野生の白」という意味で、ブドウ品種自体は、フランス南部に起源をもつトラミネール種とかかわりがあります。ソーヴィニヨン・ブランは世界的に見て最も広範囲で栽培されている品種であり、そのため、幅広いスタイルと風味を有しています。以下において、この品種の基本的な特徴を検討し、この品種が栽培されている地域や、フードマッチングについてもいくつか斬新なアイデアをお示しできればと思います。
ソーヴィニヨン・ブランの果実の風味は、主にライム、青リンゴ、パッションフルーツと白桃です。ブドウの成熟度やワインの製造時期に応じて、風味はさわやかな刺激のあるライムからかぐわしい花のようなモモまで、バラエティに富んでいます。ソーヴィニヨン・ブランが他の白ワインと一線を画するのは、上に示したものとは異なる、ピーマンやハラペーニョ、グズベリや野草のような風味です。こうした風味はピラジンと呼ばれる芳香族化合物に由来し、これがソーヴィニヨン・ブランの味の秘密なのです。
ソーヴィニヨン・ブランは、少なくとも白ワイン品種に関する限り、ギリシャのブドウ畑で新たに植えられるようになった品種の中で、最も大きな影響をもたらした品種と言えるでしょう。生産者ばかりでなく、消費者のレベルで見ても、その味の好みに与えた影響は、他に引けをとりません。ギリシャ北部はこの品種を用いたワインの製造において先んじており、南部はその後を追う形ですが、両者の差はここ数年で縮まってきています。
ソーヴィニヨン・ブランの香りが立ち若々しいスタイルの方を好む生産者もいれば、フュメと呼ばれる高級感ただようオーク樽熟成したワインの開発にいそしむ生産者もいます。このフュメでは香りはトーンダウンしますが、木によって豊潤さを増して、口の中に広がるさまざまな味の幅がさらに広がり、それぞれの味の密度は濃くなっていると感じていただけます。
どちらかというとハーブの香りが強く妖精のような特徴をソーヴィニヨン・ブランは素晴らしい味わいとなるので、材料に緑色野菜を多く使った料理とお使いいただくのがおススメで、より軽めのお酢をベースにしたソースやグリーンソースと良く合います。ソーヴィニヨン・ブランに合うとして最も一般的に使われるのは、アスパラガスのリゾットや、ペストウソース、ティラピアやカレイ、サケなど白身で身がはがれやすい魚、パスタサラダや焼き野菜(芽キャベツ、セロリルート、カボチャ)です。
クラシワインズのショップの中でソーヴィニヨン・ブランを使った最高の商品は、ライコスワイナリーのパヌセリノス(100%ソーヴィニヨン・ブラン)、ミューズエステートの9ホワイト(ソーヴィニヨン・ブラン、アシルティコ、トレビアーノ)、プローエスのホワイト(ソーヴィニヨン・ブラン、マスカット)です。
トレビアーノは、世界の最も広い地域で栽培されているワイン用ブドウ品種のひとつです。それには理由があります。単純で繊細な単一種の食卓用蒸留酒の原料として知られていますが、このブドウ品種は、万能な性格から好んで栽培されます。イタリア国内の白ワインの第三位であるばかりでなく、ブレンドの白ワイン、ブランデー、バルサミコ酢の製造にも多く使用されます。
病気などに強いトレビアーノ種の木からは、酸度が高く香りと風味はわずかなブドウの実が採れます。セパージュとしては、このブドウから造られるワインは、きりっとして、酸味があり、コクは軽めで、レモンや石に含まれるミネラル分がわずかに感じられます。このワインから展開するいくつかのスタイルでは、強い発酵臭も感じられます。
ギリシャでは、トレビアーノは2000年代後半に導入されたばかりで、主にこの品種独特の特性を取り入れるために栽培されています。酸度が高いので、アシルティコなどと組合わせて、ワインに軽めのコクを与えるのは容易です。
セパージュとしては、トレビアーノは単純で複雑でないイタリア料理に合わせると最大の効果を発揮します。あれこれ作り込まないようにして旬の食材を使った簡単な珍味をご検討されるとよいでしょう。より具体的には、ゆでたりフライパンで焼いたりした白身魚や貝類にレモン果汁をふりかけたものや、オルゾサラダに軽めのイタリアンのビネグレットソースを少々加えたものが合うでしょう。
トレビアーノを用いた優れたワインとしては、ミューズエステートの9ホワイト(トレビアーノ、ソーヴィニヨン・ブラン、アシルティコ)があります。
ギリシャで最も広い範囲で栽培されているブドウ品種で、ロゼから赤まで、幅広いスタイルが楽しめます。最もすぐれたアギオルギティコのワインは、ネメアのフルボディの赤です。
アギオルギティコは、クシノマヴロと並んで、ギリシャ産赤ワイン用ブドウ品種のうちで、国外でも広く認知されているという点で最も重要な品種です。色は深みのある赤で、赤い実の香りと甘みのあるスパイスの香味が鼻に感じられます。新品のオーク製の樽で熟成すると最高のワインができ、タンニン、アルコール、脂っこさを抑え、口の中で豊かな味わいをもたらします。
この品種を、ギリシャ人は、ブドウが持つさまざまなスタイルのワインを造る能力を表す「とてもダイナミックな(ポリ・ディナミコ)」という言葉で表現します。この言葉は、アギオルギティコの特徴を最もよく表しています。造られるワインは、フレッシュでキレがあり活気にあふれた新酒や、ミディアムボディできわめてなめらかな赤から、きわめて濃度が高くタンニンが強い、熟成を重ねるに値する奇跡とも呼ぶべきワインまでさまざまです。
ナツメグやシナモンの風味がわずかに感じられるので、アギオルギティコと焼いたお肉、トマトソース、中東やインドのスパイスの利いた料理には最高の組み合わせです。
ランティデス・ワイナリーのエルゴン・ネメア(100%アギオルギティコ)やライコスワイナリーののクラティストス(100%アギオルギティコ)といった、クラシワインズのアギオルギティコのセレクションをぜひお試しください。
リムニオは、ギリシャ・リムノス島に自生する赤ワイン用ブドウ品種です。この品種は、ワイン製造に使用され長い歴史を有し、古代ギリシャにさかのぼるともされています。ワイン史家は、この品種こそ、アリストテレスの作品で名高きリムノス島の赤ワインの原料とされたブドウ品種「レムニア」に当たると考えています。ワイン専門家のオズ・クラークによれば、リムニオは、「ギリシャで最重要の赤ワイン用ブドウ品種」です。
歴史研究者によれば、リムニオは古代の歴史叙述家たちがその名を明記した最初のセパージュワインです。ヘシオドスにもその名が見られ、ポリデウケスは、「レムニアというブドウ」、すなわちリムノス産のブドウに触れています。こうしたことから、現在でも栽培されている品種としては、人類に知られた最古の品種とされているのです。
セパージュワインでは、リムニオを原料として、フルボディで、タンニンと酸度は中程度で、ミネラルの香りがはっきり分かるワインが造られます。ブレンドした場合、リムニオは色味や重み、酸味を添え、さらに、オズ・クラークが月桂樹の葉を思わせると形容したハーブの香りも加わります。ギリシャでは、ギリシャ国外産のセパージュワインである、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローとブレンドされます。
リムニオを原料とするワインは、熟成したチーズや、ジビエ、焼き料理に合わせることが多くあります。
ぜひとも、クラシワインズのショップから、2つの異なるタイプのリムニオをお試しいただきたいと思います。どちらも認証済みのオーガニックワインで、製造元はリムノスオーガニックワイナリーです。リムニオ辛口は オーガニック・リムノス・レッド(100%リムニオ)、やや辛口の赤はトワース(リムニオ、カベルネ・ソーヴィニヨン)です。
この世界で最も人気のある赤ワイン用ブドウ品種は、フランス、ボルドー産のカベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランを自然交配させて造られました。カベルネ・ソーヴィニヨンは濃度が高く、熟成向きであることから愛好されています。ギリシャでは、生産者も消費者もカベルネ・ソーヴィニヨンを特に愛好しており、ギリシャでは、生産者の大部分において、カベルネ・ソーヴィニヨンワインがワインリストのトップに書かれています。
多くの人が、この品種を高品質の赤ワインの原料と見なしており、ギリシャの消費者も、カベルネ・ソーヴィニヨンワインであれば高いお金を払おうとしてくれます。
伝統的に、カベルネ・ソーヴィニヨンのプロフィールは、タンニンを多く含み、このワインを熟成させる可能性をもたらすかすかな酸味も感じ取れるフルボディワインです。より寒冷な気候では、カベルネ・ソーヴィニヨンから、カシスのかすかな香りとピーマンやミント、スギの香りを含むワインが造られ、ピーマンやミント、スギの香りは、ワインの熟成が進むにつれてはっきりとしてきます。より温暖な気候では、カシスのかすかな香りがブラックチェリーやブラックオリーブの香りと共に感じられ、かなり高温の地域では、カシスの香りは熟しすぎまたは「ジャムにも似た」ところに達することがあります。
ギリシャでは、カベルネ・ソーヴィニヨンは、比較的なめらかでとっつきやすいですが、フルボディと熟成向きの性質は維持しています。通常、単一品種のワインを見かけることが多いですが、他のギリシャ原産の品種、特に目立つところではアギオルギティコと合わせて風味を増したものも見られます。
クラシワインズのショップでは、カベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドのセレクションとして、ミューズエステートの9レッド(カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、メルロー)、ライコスワイナリーのパヌセリノス・レッド(カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー)、プローエスのレッド(カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー)、リムノスオーガニックワイナリーのトワース(カベルネ・ソーヴィニヨン、リムニオ)を揃えております。
メルローは、口いっぱいに広がるブラックチェリーの風味と、やわらかなタンニンとチョコレートのような切れ味から、愛好されています。ハイエンドになると、カベルネ・ソーヴィニヨンと間違われることも多く、一般的にはカベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドされます。
口に含むと、ブラックチェリー、プラム、チョコレート、乾燥ハーブ、スギの風味が広がります。大部分のメルローワインは、各種赤ワインの中では中位に位置し、タンニン、酸度、アルコール度数も中くらいです。すぐれたメルローワインは輪郭がはっきりしているので、カベルネ・ソーヴィニヨンと間違われることもあります。
理想的なマッチングには、七面鳥、豚肉、根菜、冬野菜サラダ、シチュー、あらゆる種類の収穫された食物などがあります。魚や、葉物の青野菜や、スパイシーな料理には合わせないでください。料理とワインのどちらかが勝ちすぎてしまいます。
ギリシャでは、メルローは長年にわたり栽培され、高品質のブレンドワインで好んで使用されてきました。通常、クシノマヴロと合わせて使用され、コクや色味、なめらかさのあるブレンドが造られてきました。単一品種ワインとしては、香り高く後味も長く残りますが、カベルネ・ソーヴィニヨンのワインと比べてコクが軽めのワインが造られてきました。
クラシワインズでは、セパージュワインもブレンドも取り揃えており、ミューズエステートのクリソリトス・レッド(100%メルロー)や9レッド(メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー)、ドメーヌ・エフハリスのクティマ・エフハリス・レッド(メルロー、シラー)やライコスワイナリーのパヌセリノス・レッド(メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン)、プローエスのレッド(メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン)があります。
この品種はローヌ川原産の有名な品種であり、この品種からバランスの取れた魅力あふれるワインが造られるため、ギリシャも含め世界中に広がりました。豊潤な赤の色合い、爆発するようなタンニン、さらに複雑で、スパイスを感じさせる香りを含んでいるので、熟成に適したトップクラスの赤ワイン造りの最高の材料として使用されます。
シラーを味わうと、最初に風味がインパクトを与えそれが徐々に弱まり、次いで、後味としてスパイスのきいたコショウのような香りが感じられます。最初の味が強いスタイルのため、多くの場合、シラーは、カベルネ・ソーヴィニヨンのように、口の少し奥の方に含んだ時により多くの味を添えるブドウとブレンドして、ワイン全体の味をより完全なものにします。
シラーで造ったワインは、多くの場合パワフルな風味を持ったフルボディのワインです。この品種からは、生育地の気候や土壌、さらに選択された醸造技法に応じて、幅広い風味を含んだ香りを持つワインが造られます。香りの特徴は、スミレからベリー(赤と対極にある暗色のもの)や、チョコレートや、黒コショウなどさまざまな形を取ることがあります。香りをどれひとつ取ってみても、「この品種の典型」とは言えませんが、ブラックベリー、コーヒー、コショウは多くの場合感じ取れます。ビンの中で熟成されていくと、こうした「一次的な」香りは和らげられ、土のような、あるいは、革やトリュフのような心地よい「三次的な」香りが加わります。「二次的な」風味や香りは、さまざまな要素、一般的にはワイン醸造技法(たとえばオーク樽や酵素処理など)が関係しています。
堂々としたフルボディの味わいをたたえ、シラーは味の輪郭がはっきりした食事に合わせると最高です。シラーはブルーチーズバーガーからバーベキューまでどんなものにも合わせられますが、その秘訣は、このマッチングでワインの微妙なニュアンスが引き立つことにあります。「エルブドプロバンス」というスパイスを使って、南フランス産のハーブのブレンドでお食事を演出されることをおススメします。ラベンダーやウイキョウ、タイムを含む、エルブドプロバンスの花のような香りが、ヨーロッパなどの旧世界産のシラーには良く合います。柔らかいチーズの方が適しており、柔らかく、においのきついチーズと飲むのがおススメです。というのも、アベイ・ド・ベロックのようなチーズの肉太の食感と土臭い風味が、シラーに多く含まれるタンニンを吸収してくれるからです。[シラーズとバーベキューのマッチングのヒント]オーストラリアのシラーズに感じられるコショウのようなスパイスの味は、コショウの利いたバーベキューと奇跡の組み合わせをもたらします。お肉をアニスとクローブで味付けしていただき、ワインの微妙なニュアンスを演出してみてください。
クラシワインズのショップでは、フォーマルなディナーでも、ご友人やお一人でのリラックスしたお食事でも、いつでもお楽しみいただける最高のシラーのブレンドを揃えました。ドメーヌ・エフハリスのクティマ・エフハリス・レッド(シラー、メルロー)やミューズエステートの9レッド(シラー、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン)をお楽しみください。
グルナッシュは、世界で最も広い地域で栽培されているワイン用ブドウ品種の一つです。全体としてはスパイシーで、ベリーの風味ただよい、口に含むとなめらかで、比較的高いアルコール度数のワインの原料となりますが、最高の結果を得るには収量を注意深くコントロールする必要があります。グルナッシュの特徴的な風味のプロフィールとしては、かすかな、特に白コショウを感じさせる赤い実の風味(ラズベリーやイチゴ)といったものがあります。グルナッシュのワインはかなり酸化しやすく、若いワインでも褐変を引き起こす可能性があり、このような色の変化はワインをグラスの中で傾けて色目を見ると縁の部分に認められます。グルナッシュが熟成を重ねると、ワインはより革やタールの風味を帯びます。グルナッシュを原料とするワインは、カシス、ブラックチェリー、ブラックオリーブ、コーヒー、ジンジャーブレッド、ハチミツ、革、黒コショウ、タール、スパイス、炒り豆の複雑で強い香りをもたらすことがあります。
ライコスワイナリーは、ギリシャにおいてセパージュワイン グルナッシュルージュ(100%グルナッシュルージュ)を生産している数少ないワイナリーのうちの1つです。